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知ってるつもり・・

自分を見つめ直すために保存してあるドキュメンタリーがあります。
ピアニストの辻井さんがムソルグスキーにチャレンジする過程を追ったもの。

「展覧会の絵」・・彼から最も遠くにあったはずの作品。


レッスンで複数の先生に
「君の中で“絵”のイメージが出来上がっていない」と指摘を受け悩む姿。
「正解というものはない。ただ“君のビジョン”をはっきり持ちなさい」と。
彼の心の中でそれがクリアになるまでの苦悩は
とても私たちに想像できることではない。


彼の取り組みを見ていて私が考えることはいつもひとつ。
「彼に見えて私に見えないものってなんだろう」ってこと。

ほとんどの演奏家は、一般人より多少、聴覚には優れているだろうけど
視覚での情報量が圧倒的に多いことで、逆に掴めてないものが
けっこうあるんじゃないのかなぁ・・と。

既に見えているもの、知っていることを果たして、
どこまで自分のものに出来てるんだろうってこと。
見えるがために、「知ったつもり」になってることって
恐ろしいほどあるんじゃないだろうか。
私もそんなものを無意識的に積み上げてきたんじゃないだろうか。



目の前の楽譜からリアルタイムで得られる情報が当たり前にあって、
過去の経験から作曲者や歴史的背景ももう体に滲んでいて。
さらに、目の前の相手の表情も見える。

卒なく最後まで通して、ああでもないこうでもないなんて
言い合ってはみるものの、それは一体どこまでが本当なんだろう。
逆に失ってるものや気付けないものがどれほどあるんだろう。

彼の取り組みを見ていると、そんなことを考えずにはいられないのです。
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